中性脂肪とは
脂肪、という言葉の響きがまず駄目だという人は多いでしょう。ダイエットの敵とか病気のもととか、とにかく嫌われがちな存在の一つが脂肪です。正確には「体脂肪」と呼びます。
しかしちょっと待って下さい。脂肪は身体にとっては必要なものでもあります。生体を維持する為の大切なエネルギー源であるだけでなく、内臓を衝撃から守り、体温を保持するという働きがあります。
意味も無く我々人体に取り憑いている訳ではないのです。
この脂肪のうち最も多いのが中性脂肪です。上述の体脂肪の大元の物質で、良くコレステロールと同列に語られることが多いです。
中性脂肪は、糖質の2倍を越えるエネルギーを秘めており、普段は身体に蓄積されています。これは例えば食糧にありつけない時の非常時に備えてのエネルギー源とする為です。
我々人類がこれほどいとも簡単に食糧を手に出来るようになったのはつい最近の話です。昔は腹一杯になるまで食べられるということは中々多くありませんでした。ですからこの中性脂肪は適度に消費されることが日常で、問題となることは殆どなかったのです。
しかし現代の日本などでは、あまりにも食糧が溢れています。中性脂肪を消費する機会は失われつつあると言っても良いでしょう。しかも中性脂肪それ自体には、脂肪を溜められるだけ溜め込むという困った癖があります。このため、現代に於ける人体の仕組みのままでは、却って中性脂肪を溜め込むだけにしかならないということが理解出来るかと思います。